「わかさ」2013年2月号

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腎臓病の7割は進行が止まりコントロール不良高血圧も下がると
「腎臓の新トレーニング」が評判


腎臓の糸球体の血液ろ過機能が低下する

 腎臓病の人のクレアチニン値は下がらない、というのが世間の常識です。しかし、私たちのクリニックでは、近年、急増中の慢性腎臓病の治療で顕著な成果を上げており、患者さんの多くにクレアチニン値の低下が見られます。
 クレアチニン値とは、腎臓病の進行度を示す指標です。クレアチニンは、アミノ酸(たんぱく質の構成成分)が筋肉でエネルギーとして燃焼されたあとに生じる老廃物ですが、本来は腎臓の糸球体(血液をろ過して老廃物を取り除く毛細血管の塊)でろ過されて尿中に排出されます。ところが、糸球体が衰えるとクレアチニンをろ過しきれなくなり、血液中のクレアチニン値が上昇してしまうのです。
 実は、2008年からeGFR(クレアチニン値を基準にして年齢と性別を考慮して計算された糸球体ろ過量の換算値)という検査値が腎臓病の指標になりました。しかし、患者さんの多くは、その前からクレアチニン値で腎臓病の改善度を測っているため、私たちは主にクレアチニン値を指標にしています。


ふくらはぎ・足裏・脊髄を微弱電流で刺激する

 私たちが行っている治療の柱は、「内臓トレーニング」という西洋医学と東洋医学を融合させた統合医療で、慢性腎臓病の薬物療法や食事療法の効果を高めるうえで非常に効果的です。
 この腎臓の新しいトレーニング法は、血流と自律神経(意志とは無関係に内臓や血管の働きを支配している神経)のバランスを回復させることで私たちの体に備わった自然治癒力を高め、さまざまな病気の改善に役立てようとするものです。
 具体的には、内臓トレーニングは特殊な低周波治療器を使って行われます。この治療器は縦横が30cm、厚さ5cmほどの大きさで、家庭用体重計と似た形状です。この治療器を使って次の3つの部位を刺激します。

1.ふくらはぎ刺激
 第2の心臓ともいわれる、ふくらはぎを刺激します。あおむけに寝てもらい、両足のふくらはぎを治療器に載せながら微弱な電流を流して刺激します。
 1回に30分ほど刺激すると5,000歩歩いたのと同程度にふくらはぎの運動効果が得られ、全身の血流がよくなった結果、体温は平均0.5度上昇します。

2.足裏刺激
 足の裏には反射区があり、ここに微弱な電流を流して刺激します。反射区とは、さまざまな器官とつながる神経が集中している部分で、反射区を刺激すると、その部分に対応した内臓が活性化しやすくなるのです。

3.脊髄通電
 治療器から出た2本のリード線の先端を首の後ろと背骨の特定部位に貼りつけて通電し、自律神経がバランスよく働くように調整します。


重症の腎不全でも透析がさけられた

 このような内臓トレーニングを慢性腎臓病の患者さんたちに3ヵ月以上続けてもらい、その中から透析治療を受けていない192人を調べたところ、次のような結果になりました。
 まず、クレアチニン値が低下した人は87人(45.3%)、調査前のクレアチニン値をほぼ維持している人が49人(25.5%)、クレアチニン値の上昇した人が44人(22.9%)、透析治療に進行した人が12人(6.3%)でした。
 つまり、7割の人は慢性腎臓病の進行が抑えられており、中には重症の腎不全でも透析を1年以上さけられたケースもあります。
 さらに、慢性腎臓病が原因と思われるコントロール不良高血圧を併発していた場合も、内臓トレーニングの開始後から徐々に血圧が下がり、降圧薬の種類を減らせた人や正常値まで改善した人が続出しています。
 最近、内臓トレーニングの成果に注目する医療関係者が増えており、私たちのクリニックや講演会に全国から医師・理学療法士・整体師・針灸師などが訪れ、それぞれの病医院や治療院でも活用しているようです。
 次の記事では、内臓トレーニングの働きを応用した「腎トレ」というセルフケアを紹介します。現在、腎臓になんらかのトラブルがある人は、病院の治療の補助療法として腎トレを活用してみてください。


腎トレは自宅でも簡単にできふくらはぎ押しや青竹ふみ、足裏もみなどを
1日1回以上行うのが目安


ふくらはぎと足裏は自律神経を正す急所

 内臓トレーニングは、特殊な低周波治療器を利用して全身の血流を促したり、自律神経(意志とは無関係に内臓や血管の働きを支配している神経)のバランスを回復させたりする慢性腎臓病の画期的な治療法です。
 この記事では、その働きを応用した腎臓の簡易トレーニング法、略して「腎トレ」を紹介しましょう。腎トレで刺激する部位は、内臓トレーニングと同じく、ふくらはぎと足裏です。
 車社会の現代では、日本人の多くが歩き不足に陥っており、ふくらはぎの衰えている人が増えています。実は、ふくらはぎの衰えも慢性腎臓病や高血圧などの病気が急増している主原因の1つなのです。
 ふくらはぎの筋肉は、下半身の血液を心臓に戻すためのポンプ運動を担っています。したがって、ふくらはぎを集中的に刺激すれば、血管の塊である腎臓の血流も促されて、腎臓の機能の回復が期待できるのです。
 また、慢性腎臓病の人に目立つのが、心身を緊張状態に導く交感神経(自律神経の一種)が優位に働きすぎていることです。交感神経の優位な状態が続くと血管が収縮して高血圧になりやすく、さらに腎臓を傷めるという悪循環に陥ります。
 その場合も、ふくらはぎと足裏は副交感神経(心身を安静にする自律神経の一種)の働きを高めるポイントになり、これらを適度に刺激すると全身の筋肉や血管が拡張しやすくなるとともに、腎臓など内臓の働きも活性化します。


ふくらはぎを押す方向と指先の力加減に注意

 腎トレのメニューの中で、ふくらはぎを刺激する方法には「かかとの上げ下げ」と「ふくらはぎ押し」があります。具体的なやり方は左の写真を参考にしてもらい、ここではそれぞれの注意点を述べましょう。

◆かかとの上げ下げ
 かかとの上げ下げは、腹式呼吸をしながらゆっくり行えば、血流を促す効果と心身をリラックスさせる効果が高まります。  腹式呼吸は、おなかを膨らませながら鼻からゆっくりと息を吸い、逆に息を吐くときはおなかをへこませていきます。かかとを上げるときに息を吸って、かかとを下げるときに息を吐く、という順番でゆっくりと30回ほどくり返してください。

◆ふくらはぎ押し
 ふくらはぎを押すときは、血液を心臓に戻すように、必ず足首からひざに向けて押します。  また、痛気持ちいい程度の力加減が目安で、指に力が入り過ぎないように注意しましょう。ふくらはぎが硬く、押すと痛む場合は、軽くさする程度から始めてください。


高血圧の人は土ふまずの付近も刺激しよう

 足裏には、内臓などの器官に対応した反射区(各器官とつながる末梢神経が集中している部分)があります。弱っている器官に対応した反射区を押すと痛みが強くなりやすいので、その部分を中心にじっくりと刺激しましょう。
 腎臓の反射区は足裏の中央になりますが、慢性腎臓病の場合は心臓やリンパ腺など循環器系に痛みを感じやすくなります。また、土ふまずの付近には、高血圧を改善する反射区があるので、高血圧の人は土ふまずも刺激するようにしてください。

◆青竹ふみ
 足ふみを30秒行ったら少し休み、再び足ふみを30秒行うことをくり返しながら5分ほど続けるのが目安です。足ふみの間に休みを入れることで、足裏に新鮮な刺激を与えられます

◆足裏もみ
 足裏を親指や市販のツボ押し棒でもみほぐします。刺激の強さは、痛気持ちいい程度の力加減を目安にしてください。そして、68ページ の図を参考にして腎臓・心臓・リンパ腺の反射区、それに、押すと痛みが強くなる部分を5~10分ほどかけて、ていねいに刺激しましょう。

 これらの腎トレは、それぞれ1日に3回以上行えれば理想的ですが、忙しい場合は、この中からやりやすいものをいくつか選んで、毎日少なくとも1回は行うようにしてください。


腎臓の新トレーニングを始めたらクレアチニン値の改善に伴い血圧や血糖値が
下がり透析も防げた人が続出


回復困難といわれた腎臓病も改善している

 私のクリニックを訪れる患者さんの大半は、主治医から「クレアチニン値(腎臓の機能の検査値)が下がることはありません」と宣告されています。それだけに、私たちが指導する腎臓の新トレーニング法「内臓トレーニング」を開始してクレアチニン値が下がりはじめると、喜びもひとしおのようです。
 内臓トレーニングでは低周波治療器を利用して、ふくらはぎ・足裏・脊髄を刺激し、全身の血流と自律神経(意志とは無関係に内臓や血管の働きを支配している神経)のバランスを回復させます。すると、腎臓の働きが活性化することで、クレアチニン値の低下が見られるのです(64ページ 参照)。
 前の記事でも述べたように、内臓トレーニングによってクレアチニン値が低下した人は、透析治療を受けていない192人のうち87人(45.3%)、クレアチニン値をほぼ維持している人が49人(25.5%)で、七割の人が腎臓病の進行を抑えられています。この調査をより細かく見ていくと、患者さんたちに次のような傾向や治療効果が認められました。


自覚症状がない時期に始めれば9割が改善

 対象になった192人の年齢は、12~92歳と幅広く、最も多いのは60代でした。そして、性別では男性が78%、女性が22%と男性が大半を占めており、この割合は全国の透析患者の平均年齢や男女比とほぼ一致しています。  腎臓病の原因としては、慢性腎炎(慢性糸球体腎炎)・糖尿病性腎症・IgA腎症・多発性のう胞腎・ネフローゼ症候群・腎硬化症などさまざまです。
 どの病気も回復が難しいと考えられていますが、できるだけ自覚症状のない時期から内臓トレーニングを始めれば、クレアチニン値の改善や維持、それに症状の回復も期待できます。
 実際に、開始時にクレアチニン値が1.99以下の人の維持・改善率は88.9%、2.00~2.99の人は78%に上っています。それに対して、自覚症状が強く出やすい4.00~4.99の人の維持・改善率は55%、5.00~5.99の人では61.6%、6.00以上の場合は53.3%となりました。
 さらに、内臓トレーニングの開始時にクレアチニン値が4.00を超えており、1年以上トレーニングを続けた人は13人です。そのうち、クレアチニン値が下がった人は6人、上がった人は3人、透析に入った人は4人でした。しかし、1年以内に限れば、透析治療に進行した人はおらず、内臓トレーニングによって透析に入る期間を延長できたと考えられます。


血流促進の習慣として腎トレも活用しよう

 クレアチニン値の低下に伴って、高血圧や糖尿病が改善したケースも数多く見られました。
 透析19年めの68歳の男性は、3ヵ月の内臓トレーニングで155.1ミリの最大血圧(正常は130ミリ未満)が130.8ミリに下がり、それまでに3種類使っていた降圧薬が1種類に減っています。患者さんの中には降圧薬を使っている人が多いのですが、服用量を減らせたという話はよく聞くところです。
 糖尿病腎症の場合、84歳の男性はヘモグロビンA1c(1~2ヵ月間の血糖値の推移を示す値。6.1もしくは6.5%以上で糖尿病)が10.1%から6.4%まで低下し、62歳の男性の場合も7ヵ月後に6.7%から5.4%に下がっています。
 このように、内臓トレーニングによってクレアチニン値や血圧、血糖値が下がった人たちは、次のポイントにも注意して日常生活を送っています。

・ストレスをためず、規則正しい生活を心がける。
・激しい運動を控える。
・食事療法を徹底する。
・体を冷やさない服装をして、入浴習慣も持つ。
・腎臓病や高血圧、糖尿病などの治療も継続して続ける。

 また、現在、腎臓病の治療を受けていたり、クレアチニン値が高めだったりする人は、これらのポイントに加えて、66ページ で紹介したふくらはぎや足裏を刺激する「腎トレ」も活用することをおすすめします。
 腎臓病の治療では、血流の促進と自律神経のバランス調整が重要になり、腎トレを行うことで薬物療法や食事療法の効果が高まることは十分に考えられます。腎臓のセルフケアとして、ぜひ役立ててください。


薬物治療を続けてもクレアチニン値が上昇したが、
腎臓の新トレーニングを8ヵ月行ったら透析も回避

山口県・82歳
大城 誠

検査値が2.8から1.6に改善した

 以前からクレアチニン値(腎臓の機能の検査値)が高めだった私は、かかりつけ医の指導に従って食事療法や薬物治療を続けていました。ところが、昨年からクレアチニン値が急に上がりだし、腎臓病の進行度も回復が困難な第4期(5期で透析)に進行していたことから、そのうちに透析が必要になると医師から告げられたのです。
 私には、腎臓病に特有の体のだるさやむくみといった症状はありませんでした。体も元気なので透析だけはさけたいという気持ちが強く、ほかに透析を防ぐ方法はないかと調べたところ、静岡トレーニングクリニックについて知ったのです。
 今年3月の検査ではクレアチニン値が2.8で、腎臓の機能は正常時の18%しか働いていませんでした。そこで、低周波治療器を使ってふくらはぎや足裏、背中などを刺激する内臓トレーニングをクリニックで行い、これを自宅でも毎日3、4時間続けたのです。また、クリニックでは食事療法や生活習慣の指導を受けて、これらもしっかりと守るようにしました。
 すると、毎月の検査でクレアチニン値が徐々に下がっていることがわかり、8月以降はクレアチニン値が1.6前後、腎臓の機能も正常時の30.5%まで回復しています。腎臓病とのつきあいはこれからも続きますが、ひとまず透析の不安が消えたので、内臓トレーニングを始めてよかったと思っています。


腎臓の新トレーニングを始めたら5ヵ月でクレアチニン値が
1.66から0.99に下がり、血圧も安定

熊本県・65歳
松本良一

5種類の処方薬が1種類に減った

 3年前の定年退職後に受けた健康診断では、クレアチニン値(腎臓の機能の検査値)が基準値を超える1.2に上がっていました。そこで、私は病院の治療を受けながら、食事内容を見直したり、速足歩きを日課にしたりして体調管理を徹底させているつもりでした。
 ところが、次の健康診断で、逆にクレアチニン値が1.66に上がっていたため、腎臓病の進行が心配になり、静岡トレーニングクリニックで行っている内臓トレーニングを試してみることにしたのです。内臓トレーニングは、自宅でも低周波治療器を使えば続けられるので、それを1日に4時間近く行い、食事内容や運動量などについてはクリニックに相談しました。
 内臓トレーニングを始めて最初に現れた効果は不眠の解消です。それまでは睡眠導入剤をつかっていたのが、自然に熟睡できるようになっていました。
 クレアチニン値も順調に下がり、5ヵ月後には0.99まで改善していたのです。以前から通院している病院では、腎臓病や高血圧などの薬を5種類も処方されていましたが、今は1種類だけに減っています。
 内臓トレーニングを始めてから2年がたち、最近の検査でもクレアチニン値は0.98と低めです。クリニックの廣岡院長も「慢性腎臓病の初期から内臓トレーニングを開始したことが、腎臓の細胞の再生とクレアチニン値の低下につながっている」と話していました。



「夢21」2011年1月号

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糖尿病性腎症が回復し透析いらずになる人が多いと医師もすすめる「内臓トレーニング」


糖尿病の合併症の一つに、糖尿病性腎症があります。
腎臓は血液をろ過する臓器ですが、その中でも最も重要な器官である糸球体には、毛細血管が密集しています。 糖尿病が進んで毛細血管が障害を受けると、糸球体の機能も低下して腎症を発症するのです。
 このような糖尿病性腎症の予防と改善に役立つ方法として注目されているのが、内臓トレーニングです。 (社団法人 内臓トレーニング協会の望月みや子氏が開発した)。
 腎症の改善は、クレアチニン値を目安にしています。クレアチニンは、たんぱく質が代謝(体内で行われる化学反応)されてできる最終産物ですが、腎臓の糸球体でろ過されて、そのほとんどが尿中に排泄されるはずのものです。ところが、腎臓の働きが低下すると、血液中のクレアチニン値が上昇します。
 2006年からのデータでは、内臓トレーニングを行った人の57.7%のクレアチニン値が改善しています。また、クレアチニン値も腎症も悪化しなかった人が14.1%います。内蔵トレーニングを行うと、70%以上で悪化が防げていると見ることができるでしょう。
 腎臓の働きが低下して人工透析をすすめられていたような人でも、透析を受けずにすむようなこともあります。透析を始めた人も、内臓トレーニングで腎機能が改善し、透析の回数を減らすことができた例もあります。

ふくらはぎや足の裏を刺激する


 内臓トレーニングは、内臓トレーニング用に開発された低周波電気治療器を使用します。この治療器は、縦横それぞれ30センチ、厚さ5センチほどで、家庭用の体重計のような大きさです。この治療器を利用して、以下の3つの治療を行うのです。
①ふくらはぎ刺激
あおむけになって両足のふくらはぎを治療器の上に載せたら、微弱な電流を流して刺激します。1回につき30分の刺激を行いますが、これによって5000歩歩いたのと同じふくらはぎの筋肉運動効果が得られます。ふくらはぎを中心に、全身の血液とリンパ液の流れがよくなり、体温が平均0.5度上昇します。
②足の裏の刺激
足の裏を治療器に載せて微弱な電流を流し、足裏を刺激します。足の裏には全身を整える湧泉などの優れたツボがあるほか、内蔵の状況を反映する反射区療法という考え方があります。
 反射区とは、ツボとは異なり、内臓などの各器官につながる神経が集中しているところで、この反射区を刺激すると、神経反射という作用によって各臓器が刺激され、それぞれが活性化すると考えられています。
 当クリニックでは、足の裏にある消化器、呼吸器、循環器、自律神経、生殖器、耳鼻咽喉系、免疫など、10の反射区を刺激します。
③脊髄通電
 治療器から出た2本のリード線の先端についている電極を、首の後ろと背骨の特定部位に貼りつけたら、通電して刺激します。これによって、自律神経(意思とは無関係に血管や内臓などの働きを支配する神経)を調節します。
 ふくらはぎ刺激はあおむけで行います。夜寝る前や朝起きる前に行うといいでしょう。足裏の刺激と脊髄通電は、横になったままでもイスに座ったままでも行えます。

血流がよくなり腎機能が改善する


 先に述べたように、糖尿病性腎症は、腎臓の糸球体にある血管が障害を受けて起こります。これは、糸球体の血管が細くなったりつまったり、また、血液がドロドロになったり老廃物が付着したりして、糸球体の血流が著しく低下した状態です。
 内臓トレーニングのふくらはぎ刺激を行うと、低下した全身の血流を高めることができます。その結果、腎臓の糸球体の血液循環もよくなり、腎機能向上につながります。
 足の裏刺激は、反射区を刺激することによって全身の重要な臓器の働きを高めます。
 脊髄通電は、自律神経の状態を調整します。自律神経には体を活動的にする交感神経と体を休息させる副交感神経とがあり、体はどちらかが優位になって、活動状態になったり休息状態になったりしています。
 ところが、現代人は交感神経と副交感神経のそれぞれを優位にするスイッチの切り替えがうまくいかない人が増えています。交感神経の優位が続いている人は、いつも心身を緊張させ、不眠や不安などに悩まされます。反対に、いつも副交感神経の優位が続いている人も、心身の不調に悩まされています。
 脊髄通電は、こうした自律神経のバランスを整えて、心身の健康を回復します。
 内臓トレーニングを行って、糖尿病の改善が得られた患者さんの症例を紹介しましょう。ヘモグロビンA1c(直近1~2ヶ月の血糖値のコントロールを示す値)を目安にしています。
  糖尿病性腎症の70代の男性のヘモグロビンA1cは、6.2%でしたが、内臓トレーニングを2ヶ月続けて5.6%に改善。インスリン(血糖値を下げるホルモン)を使用していた糖尿病性腎症の70代男性は、2ヶ月で6.9%から4.9%に改善しました。腎症は発症していないものの、重い糖尿病の60代の男性の場合は、9.6%でしたが、内臓トレーニングを受けたところ、1ヶ月ごとに9.2%、8.0%、7.2%、6.8%、6.7%と改善しました。
 内臓トレーニングは、これまでの糖尿病や糖尿病性腎症の治療に置き換えられるものではありません。食事と運動による治療をきちんと行い、従来の薬物治療を受けながら、補完代替医療の一つとして行えば、食事、運動、薬物の治療効果を一段と高めることができると考えています。
 なお、糖尿病性腎症以外の腎臓疾患や、神経性疾患にも効果を上げています。